三校合同授業研:5年平和学習指導案

こうして創ろう 世界の平和」 指導案


                                           授業者   橋本 規子(本校教諭)
                                                  長尾 彰夫大阪教育大教授 (ゲスト授業者)

1、日  時  1998年2月17日(火)14:00〜15:00

2、学年・組  5年2組(27名)

3、場  所  総合学習室(ランチルーム)

4、テーマ   「こうして創ろう 世界の平和」

5、ねらい   
        @子どもたちの平和についてのイメージを出し合う中で、平和にはいろ いろな側面(消極的平和と積極的平和)がある          ことを理解する。
        A資料や写真等を活用し、また参加・体験型のプログラムにより、子ど もたちの気づきや表現活動を大切にする。
        B人権総合学習”ぬのしょう、タウン・ワークス”の年間カリキュラム に位置づけ、6年生でのヒロシマ平和学習への動          機づけとする。

6、設定理由

 消極的平和とは、戦争がない状態ならびに武力紛争の除去をさす。積極的平和とは、戦争がない状態を含むが、生活を悪化し、対立を生む要因の除去をも含んでいる。その中には、経済的・社会的正義、貧困や差別の根絶、生態系のバランスも含まれている。(UNICEF)

 平和のイメージを聞かれると、子どもたちの多くは戦争がない状態であると漠然と考えている。しかし、これまでの学習、とりわけ5年生1学期”タウン・ワークス”の学習の中で、アジアから日本に来ておられるたくさんの方々との出会いや交流から、アジアの子どもたちの労働や教育、貧困等様々な問題を学んできた。また、ボランティアとしてこれらの問題に取り組んでいる方との出会いもあった。そのような学習を通して、平和の積極的な意味を考えている子どもたちもいる。

 この学習の中で、世界の子どもたちを取り巻く現実の様々な問題(児童労働、貧困、教育、栄養、紛争下での子ども達等)を、具体的な資料を通して理解を深め、また平和とは何か、自分自身の考えを振り返りながら、消極的平和と積極的平和について考えを深めていきたい。そして、自分たちでやれそうな「平和のためのアクション・プラン」づくりをおこなう。子どもたちのアクション・プランには、食料や薬を送るといった直接的な支援活動やボランティア活動、差別をなくすための運動、同世代に伝えるための被爆体験の本づくりや写真展等、子どもたちのすばらしい発想や積極的な思いがあふれている。布小の子どもたちの「良さ」を再認識することにもなる。

 また5年生では、6年生のヒロシマ修学旅行の取り組みにつながるものにしていきたいと考えた。世界の子どもたちを取り巻く厳しい現実と自分、平和とは何か、平和のために大切にしたいこと等を広い視野から考え、そのことを踏まえて3ヶ月先のヒロシマ修学旅行の取り組みを進めていきたい。その時に、被爆者の方々との出会いはもちろん、資料館や原爆ドームといった平和のための施設の中からも、平和を求める人々の熱い思いを受け止められるものにしていきたい。

 そのために、この学習は子どもたちの気づきや活動を大切にしたいと考え、UNICEFの「開発のための教育」や「WORLD STUDIES」からアクティビティを取り入れ、4時間の設定でプログラムを作成した。子どもたちの現実を理解するために、「ホント」「ウソ」のコーナーのゲーム的なアクティビティを、また平和とは何かを考えるために「平和のために働く人々」を選挙で選ぶという活動を、自分たちでできる『もう少しよくするための計画』のために「5年○組の平和のためのアクション・プラン」づくり等の活動を行った。 
 
7、学習計画  第1次 世界の子どもたちを取り巻く現実の様々な問題
               について理解する。─────────────1時間
          第2次 平和とは何か、自分がどう考えているのか自覚
               する。───────────────────1時間
          第3次 平和のために何が必要か、自分自身の考えを確
               かめ、実際的なプランを考える。───────−2時間 (本時)

8、展開例

第1次:「ホント」「ウソ」のコーナー

ねらい 子どもたちを取り巻く現実(貧困や飢餓、教育、栄養、紛争下の子どもたち等)
について、いくつかの基本的な事実を紹介し、子どもたちがこれらのことについ
て共通に抱いているステレオタイプを明らかにする。
同時に、積極的平和についての理解を深める。
進め方 1、子どもたちは○×の札を各自持つ。
2、教師が、文章を文章を一つずつ読み上げる。読まれるたびに、子どもたちは
  その説が真実なのか、うそなのか、自分がどちらだと思うかによって、○×
  の札をたてる。
3、子どもたちは自分の考えを決めたら、なぜそう思うかを説明する。
4、その次に、教師はその説に対して事実に基づく情報を与える。特に、大きな
  数に対して実感させる工夫をする。
5、気づたことや自分の抱いていたイメージについて話し合う。
問題例 1、世界中の5歳から14歳の子どものうち、2億5000万人が働かされている。
2、せっかく小学校に入学しても卒業できない子どもがいます。ネパールでは、
  小学校に入学した子どものうち4人に1人の子どもたちは卒業することがで
  きません。
3、生まれた子どものうち、5歳までに死んでしまう子どもの数は、インドでは10
  人に1人になる。
4、広島に投下された原子爆弾で、約20万人の人々が亡くなりました。
5、世界でこの10年間に「戦争」のために亡くなった子どもの数は約200万人
  である。

第2次:世界平和につづく道は?

ねらい 平和とは何か、何が正しく何がまちがっているかなどについて、自分がどう考え
ているかを自覚する。
進め方 1、平和な世界を実現するために、候補者の意見をよく聞いて、3人選ぶことを
  言う。
2、教師が候補者の主張を読み、説明や要点などを指摘し、話し合う。
3、各自が候補者を3人選ぶ。
4、班で、なぜ3人を選んだか説明しあい、話し合う。他の子の意見を聞いて考
  えが変わったら、候補者を変えてもよい。
5、クラスで、選んだ候補者がなぜいいか主張し合う。
6、投票する。
7、開票する。
8、平和について、自分の考えをふり返る。
候補者
の主張
−−−−平和のためにはたらく人々−−−−
        (7人の主張)

第3次:もう少しよくするための計画 ”5年2組、平和のためのアクション・プラン”

ねらい 平和には何が必要か、自分自身の考えを確かめ、平和に向けて個人や集団で
行えるような実際的なプランを考える。
進め方 1、班で、100万円を使って平和を実現するための自分たちで行えるプランを作
  成する。
2、クラスで、班ごとにプランを説明する。
3、クラスのプランとしてまとめていく。

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