11月7日版
マイスクールニュース


いよいよ、研究発表会を来週に控え、様々な準備の最後のチェックを行っているところです。
今回は、当日の全体会で報告します、本校の取り組みの基調部分についてご紹介したいと思います。
今回発表します、3つの柱である
1.授業改革と学力向上
  ・基礎基本の習得のための授業改革
  ・学力保障の効果測定
2.学校の情報化
  ・学校の情報化による多様な学びの展開
  ・デジタルコンテンツを活用した分かる授業の展開
3.総合学習の展開
  ・“ぬのしょう,タウン・ワークス”のカリキュラム化
  ・“ぬのしょう、タウン・ワークス”の評価とアカウンタビリティ
にそって、まとめています。
ぜひお読みいただき、参考にしてくださればと思います。


はじめに
 今年度より、新しい学習指導要領の実施とともに、完全学校週五日制が出発しました。
 本校は、この2002年を新たな教育改革とマイスクール元年として位置付け、「学びの総合化」をキーワードに、e-Nunose2002プログラムとして研究課題を設定しました。 
 「学びの総合化」は、学びを「知識・技能」「思考・表現」「関心・意欲」等の角度から、また、基礎的・基本的および今日的かつ多様な学習内容と、多面的な学習指導方法から総合的にアプローチすることを目的としています。
 そして、その「学び」を「教科の授業」、「総合的な学習」、「学校の情報化」というフィールドに焦点化し、研究・実践に努めてきました。
 わたしたちは、本校が過去から現在において、一貫して大切にしてきた「地域とのつながり」「人とのつながり」というコンセプトをこの研究発表を通じて、より豊かなものに創りあげていきたいと決意しています。
1.布忍小がめざす子ども像
 わたしたちは、同和教育をはじめとする人権教育を推進する中で、すべての子どもたちに確かな人権感覚と生きる力の育成をめざしてきました。
 そして、自分自身の良さに誇りを持って生きていってほしいという願いと、子どもたちとともに歩もうとする私たちの決意をこめて、21世紀社会に対応した子ども像を再度明らかにしました。
2.e-Nunose2002プログラム
   21世紀発「学びの総合化」をめざして
(1)国語、算数における基礎的・基本的な学習内容を総合的に学ぶ

@学力向上の歩み
 本校の教育は、1968年の越境根絶の取り組みの中から新しく出発しました。
 それは、「荒れ」の克服から始まりました。 そして、「荒れ」の大きな要因として、子どもたちの低学力が課題の一つであることが明らかになりました。
 そこから、低学力克服の取り組みと学力向上の取り組みが、以下の4点として進められました。
 ○学力把握のための校内学力診断テストの実施
 ○国語・算数における学習内容の精選と抽出促進授業による「わかる授業」の創造
 ○支え合い学習と学級集団づくりによる学習意欲の向上
 ○放課後の補充学習による学習内容の習熟と定着
 さらに、1976年から家庭学習の定着を基盤に、生活規律確立の取り組みが始まりました。
 この取り組みは子どもたちの家での生活を大きく変え、放課後の補充学習と家庭学習がつながり、学習内容の習熟・定着が図られました。
 また、1980年にはじめてスローガンとして授業改革が位置づけられ、一斉指導の改革として具体的に取り組まれました。
 導入の工夫や、山場での発問、教師の子どもへの「まなざし」などを大切に、教師の授業力量を高めることを学校全体で取り組みました。

A国語、算数における基礎的・基本的な学習内容の 習得のための総合的な学習指導
 1990年代に入ってから、新たな授業改革がスタートしました。 それは、学習指導形態と指導方法の大きな改革であり、「自己選択」「個別学習」「自己表現」の三つのキーワードをもとに取り組まれました。
具体的な6つの取り組み
ア、授業における個別学習の導入
 ○習得学習ノートを活用し、一斉指導の中で個別学習を位置づけているマスタリーラーニング
 ○自己選択による発展的学習(どんどんコース)・補充的学習(じっくりコース)などの学習
 ○「一斉指導」「個別指導」「少人数指導」を学習単元の内容によって柔軟に組み合わせた個に応じた学習と、その重点的なカリキュラム化
イ、学力実態の把握
 ○年1回の校内学力診断テストの実施を通した実態把握や、学習指導形態や指導方法の工夫改善につなげる取り組み
 ○小単元でのチェックテスト・単元テスト・まとめテストなどによる学習状況の把握と学年の指導方法に返す取り組み
ウ、基本的な学習内容の習熟と定着
 ○放課後の補充学習や、家庭学習の習慣化による、現単元や既習単元の習熟と定着
エ、学習の動機付けとして
 ○総合的な学習と結んだ進路学習(6年生 進路夢体験「トライ・ツー・ザ・フューチャー」)など、生き方学習を通じた自尊感情の育成
オ、学習環境づくり
 ○わからない時にわからないといえる学習集団づくりや授業規律の確立
カ、弾力的な指導体制づくり
 ○教科担任制の導入や交換授業の実施など、児童の実態に応じた弾力的な指導体制づくり

B社会の変化に対応した、自ら学ぶ力を培う総合的な学習指導
 このような基礎的・基本的学習の力を基盤として、思考力や判断力、表現力、関心や意欲、態度などを培う取り組みを進めています。
具体的な3つの取り組み
ア、総合的な学習活動の推進
 ○国際化や情報化、高齢化等、社会の急速な変化に対応した、教科の横断的で総合的な学習の展開
イ、多様な体験的学習の充実
 ○自然体験や社会・文化体験など体験的な学習や選択型の学習、実験・観察などの調べ学習等の推進による知的好奇心や思考力、判断力、問題解決力の育成
ウ、多様な表現力と自学自習力の育成 
 ○「学び方」を学ぶことを通した自学自習力の育成や、情報機器の活用による学習発表や教科におけるコミュニケーション力を培う等の表現力の育成
(2)学校の情報化による総合的な学び

@あゆみ
 本校では、1997年度にマルチメディアパソコンが整備され、同年度から2年間、大阪府教育委員会より情報教育研究学校の指定を受け、1998年11月に「総合学習・情報教育を通した人権文化の創造を!」をテーマとして研究会を開催しました。
 ここでは、パソコン導入期のカリキュラムである「パソコン出会いのカリキュラム」の取り組み、教科学習における情報機器の活用実践である、6年生理科での「大地のつくり」、総合学習での活用をめざした5年生「自分史学習-出会い・ふれあい夢トーク」、本校と松原第三中学校、中央小学校の3点をTV会議システムでつないで行われた「中学校区TV会議」等の取り組みが展開されました。
 その後、松原市において、文部科学省および総務省の1999年度より始まる、学校インターネット事業の地域指定を受け市内全小中学校が、高速回線で結ばれ、その中心的役割を担う地域ネットワークセンター「e/Kokoro メディアセンター」が本校に設置されました。

Ae-Nunose2002、ミレニアムプロジェクトへの発信
 ミレニアムプロジェクトでは「学校教育の情報化」が、すべての教室と教科で展開されることが求められ、本市ではミレニアムプロジェクトに対応した校内LANや情報機器等の環境整備が始まっています。
 本校では、これらの環境を「ツール」として活用することで、各教科の授業を子どもたちにとって「わかりやすい」ものにするための挑戦を進めています。
ア、わかる授業づくり
 本校では、教科学習でデジタルコンテンツを活用した授業がカリキュラムに基づき展開されています。教師が一斉指導で提示するコンテンツとして、また子どもたち自身が調べ学習に活用するとツールとして、授業の導入、展開、まとめの各段階に応じた柔軟な活用を工夫しわかる授業の展開を行っています。
 また、teiten2000等のWEBコンテンツを授業に活用した授業にも積極的に取り組んでいます。
イ、地域デジタルコンテンツの作成 
 本市では、社会科副読本である「わたしたちの松原市」をはじめ多くの地域教材のデジタルコンテンツが、先進的教育情報環境整備推進協議会と松原市情報教育推進会議ワーキングチームの共同作業で開発され、WEB上での活用が市内各校で始まっています。
 地域デジタルコンテンツのいっそうの充実をめざして、現在も作業が進められています。

B交流・共同学習の展開
ア、総合学習や生活科を中心とした学校間交流の展開 
 低学年では、生活科を中心とする教科で、子どもたちの関心や意欲、コミュニケーション力の向上をねらいとしてTV会議システムを活用した松原市内での学校間交流が展開され、さらに高学年においても、総合学習を中心に国内各交流校と学校間交流が展開されています。
イ、教科における共同学習の展開
 高学年では、低学年でのねらいに加え教科の知識・理解の深まりと遠隔地との交流、教科における共同学習が展開されています。
 「つながれ!花列島」や「大地のようす」はその実践事例です。
 「つながれ!花列島」の取り組みでは、宮崎県高岡小学校、京都市有済小学校と植物を共同で継続観察しWEB発信することを通じて、植物の育ちの地域間の比較を行い、各段階でTV会議システムを活用し、観察結果や比較による気づきを交流することで学習内容を深めていきます。
 「大地のようす」では、沖縄県北大東小学校、京都市有済小学校、静岡県三浜小学校等と共同で課題設定を行い、問題解決のためにTV会議システムやe-mailを活用し、多様な地域のデータを集め学習が展開されます。
 このように、教科における共同学習では、ネットワークを活用した情報収集・発信型の授業展開に、TV会議システムやe-mail、ビデオレター等を活用したマルチメディアプロジェクト型の授業展開が行われています。
ウ、国際共同学習へ
 このような国内交流校との共同学習に加え、TV会議システムを活用したイギリスRobin Hood小学校との共同学習や、本市の新たな施策である「教室の窓は世界に:国際交流事業Sister School Project」を活用した韓国Naegi初等学校との教科における国際共同学習を展開しています。
 イギリスRobin Hood小学校との「Millennium Tea Party」では「お茶」を共通のテーマに設定し学習が展開され、互いの国の「お茶」について調べることを通じて交流を行い、互いの国の文化を知るだけではなく、日本の文化を再確認できる学習になりました。
 韓国Naegi初等学校との「リサーチ!鉄鋼Korea Japan」は、教科における国際共同学習にチャレンジした取り組みです。
 「鉄鋼業」を共通テーマに、相互が製鉄所の見学等の学習を行い、製鉄の工程を学習し、その発展として相互の鉄鋼業の協力関係や結びつきについて共同学習を展開していきます。
 このような国際共同学習を通じて、まさに「教室の窓は世界に」つながる学習の展開を今後ともめざしていきたいと考えています。

C教科におけるカリキュラムづくり
 本校では、こような学校情報化の取り組みを、学校として継続し展開するための教科におけるカリキュラム化にもこだわってきました。
 どの学年で、どの教科や単元で、どのようなコンテンツや手段を使って、どのような活用することで、どんな力を子どもたちにつけるのかを整理したカリキュラム化が行われ、同時にその充実が大きな課題になっています。

D開かれた学校づくりと結んで
 本校では、1998年1月のホームページ開設以来、積極的な情報発信を行ってきました。
 定期的な更新作業に加え、各学年による「インターネット版学年通信」も開設され、開かれた学校づくりをめざして、地域保護者に対して学校情報の積極的な公開を進めています。
(3)地域と結んだ総合学習の多様な学び

@“ぬのしょう、タウン・ワークス”までの歩み
 1980年代はじめ、それまで取り組んできた人権・同和教育の取り組みを土台としてカリキュラムづくりに着手し、毎年の実践の積み重ねを通じて練り直されていく中で「タウン・ワークス」が生まれました。
 従来取り組んできた人権・同和教育の取り組みの中でわたしたちが大切にし、これからも継承すべきであるとした点は、以下の3点です。
 ○子どもの生活、親の労働、自分史に返し、自分を振り返る
 ○聞き取り・フィールドワーク等を通して地域の方との出会いを大切にする
 ○集団づくりと結び、子どもの共感・感動を通して子どもと子どもをつなぐ

A“ぬのしょう、タウン・ワークス”の特徴
 「ぬのせ」という「タウン」に出かけ、子どもたちが中心となっての「ワークス」、つまり、参加、体験、交流を通して、子どもたち自らが主体的に学ぶ総合学習が“ぬのしょう、タウン・ワークス”です。
 総合的な学習としての展開にあたり、わたしたちは次の5点を大切にしました。
 ○今日的かつ多様な教育課題の設定
 ○課題別コース選択など、選択・参加・体験的な学習形態の導入
 ○系統化(学年毎のテーマ)、通年化(一年を通して)されたカリキュラム
 ○幅広い地域人材を活用した地域とのネットワークづくり
 ○進路学習をはじめとする生き方(人権)学習の展開

B 今日的な“ぬのしょう、タウン・ワークス”の課題
今日“ぬのしょう、タウン・ワークス”は地域との関係で、新たな展開を見せています。
 それは、子どもたちが学ぶタウンワークスから、ネットワークをキーワードに、大人も含めた地域の教育コミュニティづくりとしてのタウンワークスへと発展していることです。
 以下4点がその今日的課題です。
 ○フィールドワークなどの引率や聞き取り、親子集会への参加など、保護者の総合学習への参加
 ○保護者による「親の会」の運営や、親子集会の内容の企画など、企画段階からの保護者の参加
 ○地域の方や保護者が、学習や評価活動に参加する中で果たす、地域・保護者へのアカウンタビリティ
 ○保護者自らが体験する総合的な学習の推進(コミュニティレッスン)
 このように、タウンワークスにおける評価とアカウンタビリティを通じて、地域に開かれた学校づくりがさらに進められようとしています。

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