遠隔共同学習「酸性雨の共同観測」の取り組み
(1年こねっと・環境クラブ)


共同研究・モデルプロジェクト ネットワーク教育利用研究促進協議会

1.実施にあたって
 本校では1年から、メンバーを募集し、1年パソコン委員会をつくりました。パソコンに興味・関心が
あり、酸性雨などの環境問題を考えていきたいという生徒に集まってもらい、途中から、「こねっと・環
境クラブ」という名前の組織にして活動に取り組みました。
2.実践の経過
10月 遠隔共同学習「酸性雨の共同観測」オフラインミーティング
教材の配布と遠隔共同学習の説明
自己紹介、学校紹介、『松原』紹介の作成をパソコンで作成
11月 身近な酸・アルカリのpH測定
酸性雨のpH測定開始
雨のpH測定
酸性雨についてインターネットを用いた調べ学習
地球温暖化京都会議について新聞を用いての学習
12月 世界子ども環境サミット'97(こねっと・プラン)へ参加
冬季休業中の自由研究に向けて
インターネットで酸性雨について調べ学習
冬休みの自由研究について
1月 冬休みのの自由研究の結果報告
自由研究のまとめ
3.活動時における生徒たちの様子
step 1出会い
 「パソコンを使って酸性雨を全国の仲間と学習しよう」という呼びかけで15人の1年生が参加希望。
*****************メールより********************
全国のみなさん、こんにちは。私たちは、松原市立松原第三中学校の1年環境クラブ(仮称)です。私
たちの住んでいる松原市のことを、みなさんに少しでも知ってもらおうと思い、メンバーのそれぞれが
自己紹介と松原の紹介をします。みなさんとの出会いを楽しみにしています。お返事下さい。心待ち
にしています。
松原市は、大阪府のほぼ中央にあります。
大阪市とのさかいには、ゴミがたくさん浮いている大和川があります。
松原には、森林などの自然環境がおおくありません。
その上、道路も多いところです。
近くには、国道309号線という大きな道路があります。
松原市は、高速道路が集中している所として、有名です。
だから、排気ガスも、いっぱい出ます。
だから、環境問題にも、関心があります。
(以下 省略)
step 2雨のpH測定
 レインゴーランドを松原市役所から借用し、校舎の屋上に設置した。強風のためレインゴーランドの
部品が紛失し、その再入手とpHメーターの入手に時間がかかったため、計画に大きな遅れが生じ、
子ども達の興味関心が薄れかけた。
 測定結果に関しては、子ども達の予想に反して酸性度がそれほど高くなく、逆にそのことに興味を
持つ子どもが多くいたので、結果の持つ意味を自由研究で深めていくことになった。
***************メールより******************
松原三中@大阪です。
遅ればせながら、酸性雨の調査結果の第1弾を送ります。
_______________________
Date pH
=======================
97/11/12 Fri 4.7
97/11/17 Mon 4.5
97/11/21 Fri 4.5
97/11/22 Sat 4.7
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
***************メールより******************
松原三中@大阪です。
酸性雨の調査結果の第2弾を送ります。
_________________________________________
Date No. 1st. 2nd. 平均
=========================================
97/12/17 Wed 1 7.1 7.0 7.1
2 6.4 6.4 6.4
3 5.7 5.6 5.7
4 5.8 5.6 5.7
5 6.3 6.1 6.2
6 6.1 5.7 5.9
7 6.1 5.7 5.9
8 5.0 4.8 4.9
-----------------------------------------
気付いたこと:
1.雨の降り始めから、降り終わりにかけて、だんだん酸性が強くなっている。
2.雨が強く降っているときよりも、弱く降っているときの方が、酸性が強いようだ。
step 3自由研究
 『実際に酸性雨が植物にどんな影響があるかを調べられないか?』という意見が子どもたちの中か
ら出てきた。酸性雨のpH測定の結果をふまえて、継続的に降る酸性雨と、ときどき降る酸性雨との植
物に対する影響の違いを調べることになり、実験計画を立てていった。<実験の目的>
酸性の水溶液がカイワレ大根の成長にどんな影響があるかを調べる。
<方法>
(1)いろいろな酸性水溶液を準備する。
A市販の炭酸水 B市販の炭酸飲料 C市販のジュース D濃い酢(pH5) E薄い酢(pH6) F濃い塩酸
(pH5) G薄い塩酸(pH6) H薄い硫酸(pH6) I市販のジュース+水 J市販の炭酸飲料+水 K濃い
酢(pH5)+水 L薄い酢(pH6)+水 M濃い硫酸(pH5)+水 N薄い硫酸(pH6)+水 O水
(2)皿の中に綿をしき、カイワレ大根の種子を10粒ほどのせる。
(3)A〜Oの水溶液を綿が充分しめるまでかける。
(4)皿を日の当たらない室内におく。
(5)1日に一回、約5cm2の水溶液(I〜Oは水)を、必ず毎日かける。
(6)最初に発芽した日、すべての種子の芽が出た日を記録する。
(7)二週間後(始業式、1月8日)に皿ごと学校に持ってきて写真を撮る。
(8)データを交流し、結果から考察する。
<結果>
(1)植物に対する影響の大きさ  炭酸飲料>酢>硫酸>塩酸
(2)硫酸酸性の水溶液を継続的に与え続けると、発芽・生長に大きな影響を与えるが、最初だけなら
大きな影響はない。
(3)塩酸は、発芽・生長に大きな影響はない。
(4)炭酸飲料や炭酸水では発芽しない。
<実験結果から考えられること>
 結果(2)から、酸性雨(硫酸酸性)がときどきしか降らない松原市では、継続的に酸性雨が降るヨーロッパや北アメリカと比べると植物に与える影響は小さいのではないか。
<学習成果>
(1)コンピュータ利用への興味・関心を喚起できた。
(2)テレコミュニケーションのための情報発信の方法を考えることができた。
(3)酸性雨の問題に関心を持ち、様々な環境問題が我々の周りを取り巻いていることに気づけた。
(4)子ども達が興味を持ったことを、インターネット等を通して主体的に調べ、まとめることができた。
(5)子ども達の問題意識に合った自由研究により、問題解決のための過程を学習できた。
この取り組みは、「酸性雨の共同観測」プロジェクトの皆さんに大変お世話になりました。