世界人権宣言50周年記念に向けた数々のアイデア

 このアイデアは、国連人権高等弁務官事務所のホームページ中に掲載されているもので(1997年
11月30日現在)、世界人権宣言大阪連絡会議が翻訳したものです。50周年記念に向けた取り組み
の参考にして下さい。
(同事務所のホームページアドレスは、 http://www.unhchr.ch/ )

はじめに:
全体的な活動:
政府:
議会/政党:
学校および青年組織:
大学あるいは専門学校:
文化セクター:
宗教セクター:
メディアとインターネット:
企業およびビジネス界:
職能組織:
労働組合:
医療セクター:
市町村議会とコミュニティー組織: 
図書館:
NGO、社会サービス機関、コミュニティ・サービス組織、女性グループ、アドボカシー・グループ:

はじめに:
 このペーパーは、5つの大陸を代表する人権教育専門家が、1997年1月ジュネーブにある国連人権
高等弁務官/人権センターに集まり、国連人権教育の10年(1995年から 2004年)の枠組みの中で
、世界人権宣言50周年の準備に協力するために作成したものです。ここには、50以上のアイデアが
次のような見出しでグループ分けされています:全体的な活動;政府;議会/政党;学校と青年組織;
大学あるいは専門学校;文化セクター;宗教セクター;メディアとインターネット;企業とビジネス世界;
職能組織;労働組合;医療セクター;市町村議会とコミュニティ組織;図書館;NGO、社会サービス機
関とコミュニティサービス組織、女性グループとアドボカシーグループ。このリストがすべてを網羅して
いるわけではありません。これをヒントとして新しいアイデアが生まれ、関心ある人々とそれらを共有
できるようになればと願っています。人権高等弁務官/人権センターは、皆さんの意見をお待ちしてい
ます。コンピュータメールあるいは普通の郵便でお送りください。
e-メールのアドレス: webadmin.hchr@unog.ch
郵便の宛先:Office of the High Commissioner for Human Rights,
         United Nations Palais des Nations 1211 Geneve 10, Switzerland

全体的な活動:  
1. ロゴ:国内で幅広く使用されるような世界人権宣言50周年のロゴを作る。(例、公的文書、出版物、旗、Tシャツ、ピンなどに)
2. 記念切手や硬貨:世界人権宣言50周年を記念する切手や硬貨の発行。
3. "あらゆる所に世界人権宣言が":50周年の年、1ページにまとめた世界人権宣言をあらゆる公的な場所に置く(例、郵便局、図書館、投票所、学校)。可能であれば、公的機関の郵便物に入れる(例、税金納付書、電話料金請求書)。公的書類を発行する時に添付する(例、婚姻許可書、出生証明書、運転免許証、パスポート、電話帳、テレホンカード、他)。様々な形で宣言を再現させる(しおり、カタログ、他)。宣言の全文あるいは一部を公共輸送手段で紹介したりミルクの箱に印刷するなどして、日常生活のレベルで広める。
4. 世界人権宣言50周年 国内年間予定:毎月2つか3つの条文を選んで、今月の条文としてそれらに焦点をあてる。地方や国の祝日、あるいは国際的な祝日に合わせるのがよい(例、15条は国の独立記念日、18条は宗教的な休暇期間、23条は5月)。
5. 世界人権宣言50周年賞(年間賞):国内の人権ヒーロー/擁護者を讃える賞を制定する。賞は分野別に分けることもできる(例、難民の権利に貢献した人に対する第 14条賞)。国内の人権ヒーローを見つけだすのに最も適した位置にいるのは、国内の関係組織だろう。それぞれの国のヒーロー、とりわけ社会に知られていない人を讃えよう。人権のために公けに国際舞台で闘ってきたリーダーやノーベル平和賞受賞者などを自国に招待して、授賞式に参加してもらう。
6. 世界人権宣言の国際的瞬間:特定の日時を決めて(おそらく1998年12月10日正午 12時になるだろう)、市民が一斉に世界人権宣言を讃える。国を越えた共通の象徴的アクションを全市民が取れるようにする(例、キャンドルに灯をつける、沈黙の時、ベルやサイレンを鳴らす、旗を揚げる、学校での30分間の人権プログラム、子どもたちのためのコンサート)。
7. "人権コミュニティ":コミュニティ、あるいはあらゆる規模の領域(例、村、学校、大学、大学、職場、高齢者のセンター)に、"人権コミュニティ"宣言を出すよう呼びかける。そうすることによって、人権の遵守や尊重を促進し、自分たちのコミュニティが世界人権宣言の基準にどれだけ従って行動しているかを評価できる。これらのコミュニティや領域が集まって、"人権コミュニティ"のネットワークを作ることもできる。
8. "人権スペース":世界人権宣言50周年のために "人権スペース"を、それぞれの村や町や市の近辺に設ける(例、会議場、ギャラリー、市場の中にある展示場とか掲示板、公園)。個人あるいはコミュニティのグループは、様々な方法でそれを利用して、職業、宗教、文化あるいはプライベートな生活の場でどのように人権を体験しているかを、表現したり、説明したり、議論できる。
9. 人権散歩道/壁画:散歩道を選んで、そこで世界人権宣言の各条文を何らかの形で説明する。人権を表現した彫刻、公園の踏み石、利用者の多い公けの場所(例、駅、ショッピング街、スポーツセンター)でのグラフィック・アートなどで、そこを飾る。壁画にすることもできる。
10. 世界人権宣言"動くテキスト":公的な車両を、世界人権宣言の50周年を告げる情報で塗ったり飾ったりする;何台もの車両や連結列車が利用できれば、1台毎に世界人権宣言の異なる条文を書くことができる。優れたデザインに賞を出す(例、世界人権宣言タクシー・ベスト賞)

11. 12月10日を祝日に:12月10日を祝日にする(1997年から毎年)。
12. 公開朗読会:世界人権宣言の公開朗読会を開く(学校、議会、閣僚会議、市場、他)。
13. 姉妹提携:二国間あるいは異なる国の都市やセクターの間で姉妹提携をして、相互に刺激しあいながらアイデアの共有や相互協力ができるようにする。
14. 資金集め:国内や国際の人権活動資金のために資金集めをする(国の収入の一部として集める)。
政府: 
15. 行動計画:21世紀に向けた人権促進のために国内行動計画を採択する。とりわけ政府は、国連人権教育の10年(1995年から2004年)への貢献として、人権教育のための国内行動計画の採択を検討できる立場にある。
16. 世界人権宣言の国内における実施に関して全国会議あるいは国際会議を主催する。
17. 人権の伸長と保護のために国内の基盤を強化する。

議会/政党: 
18. 議会内に超党派全党参加の人権部会を作る。
19. 人権年(1998年)、人権週間(12月10日前後)あるいは人権デー(12月10日)を宣言する。
20. 世界人権宣言に関する議会討論会を組織し、議案を通過させる。
21. 国際人権基準に準拠するよう国内の法律を再点検する/国際人権条約を批准する。
22. 人権教育のための予算案を通過させる。
23. 人権および人権教育に関係のある閣僚の会議を開くよう政府に要請する。
24. ボランティア・ベースで人権大使になる人を "指名"する。(著名人)

学校および青年組織: 
25. 青年対象のトレーニングを行って、世界人権宣言の内容を、学校内の年少者や青年組織、あるいは街頭や社会全般に教えることができるようにする(例えば、夏休みの雇用プログラムやボランティア活動などを通して)。
26. 子どもたちが大人、特に1948年以前に生まれた人に、人権に関する体験を聞き取れる歴史の語り継ぎプロジェクトを展開する(例えば、世界人権宣言によって生活はどのように変わったか?)。このような口承の歴史を、出版や放送で公表したり、劇にして発表できる。
27. "青年キャラバン"や列島縦断ウォークを組織して、若者が農村地域に出向いて子どもや大人に世界人権宣言のプレゼンテーションを行う。
28. 世界人権宣言の絵画や作文のコンテストを主催して、優勝作品を出版したり、カレンダーに印刷したり、切手に使ったり、さもなくば広く公表する。
29. "社会の片隅に追いやられた青年"が社会の本流に融合することを目的とした、世界人権宣言に関するプログラムを組織する。
30. 世界人権宣言や人権をテーマに、青年の自作自演による路上での演劇、ダンス、あるいはその他のパーフォマンスを組織する。
31. 子どもたちに世界人権宣言に関連した歌を作るよう勧める。それを歌ったり発表するのもよい。
32. 世界人権宣言と人権教育に関する会議、セミナー、教師向けトレーニング(現職教員および教員予定者)を組織する。
33. 文部大臣に人権教育に当てた授業の最低時間数を定めさせる。
34. 読み書きの授業を人権を教える手段として使う。

大学あるいは専門学校: 
35. 人権活動家に名誉学位を授与する。
36. 展覧会を開く。
37. 学内や学外で、人権に関するワークショップ、セミナー、講演会、討論会、シンポジウムを開く。
38. 国内の人権研究賞を設立する。
39. 人権教育と人権研究のコースを設けるよう働きかける。

文化セクター: 
40. 世界人権宣言や人権教育に関連した連続講座、コンサート、展示会、あるいはその他の文化的イベントを主催する。
41. 世界人権宣言50周年に向けた芸術作品の製作を依頼して(例、世界人権宣言を題材にしたオラトリオ、記念像)、発表できる場を提供する。
42. 大人、学生、子どもが参加する世界人権宣言の絵画、詩、音楽、エッセイなどのコンテストを主催して、優勝作品を世界人権宣言を祝う行事の場で発表する。
43. 世界人権宣言50周年の巡回展示会や公演ツアーを組織して、農村地域に届ける。
44. 50周年記念杯を設けてスポーツの競技会を開催する。 
45. 全国人権キルトの作成を計画する。各参加地区(団体)が1枚づつキルトを作る。
46. 地域のフェスティバル(多文化、芸術、音楽、他)を使って世界人権宣言を広める。
47. すでにある行事(女性デー、メーデー、他)を活かして、人権問題や世界人権宣言への注意を喚起する。
48. メジャーな音楽グループの全国ツアーを組織して、世界人権宣言を広める。
49. 国際/国内ブックフェアで "人権コーナー"を設け、人権資料を配布したり、出版社に人権関連の書籍を出版するよう勧める。

宗教セクター: 
50. 世界人権宣言の促進における宗教界の役割に関して会議やセミナーを開く。
51. 宗教組織の集まりの場を人権教育の場として使う。
52. 世界人権宣言をテーマにした文化的行事や社会的行事を宗教界として開催する。 

メディアとインターネット: 
53. 著名人がメディアに登場する際、人権尊重の促進と人権問題への意識高揚のために力を貸してくれるようにする。
54. 人権報道の優秀賞を設ける(例、その年、国内および国際的人権問題を報道したジャーナリストへの全国レベルや地方レベルでの審査員賞)。
55. 新聞や雑誌に、世界人権宣言50周年の情報や解説を定期的に載せるスペースを設ける(例、連続エッセイ、社説、投書欄、国内あるいは国際的な人権ヒーローの話)
56. 定期的な人権番組をテレビやラジオで放送する(例、人権映画のシリーズ、人権をテーマにしたラジオ討論会、国内の人権ヒーロー/民族文化的な人権ヒーローあるいは歴史的事件を人権の言葉で解釈しなおしたドラマやドキュメント番組、子どもや若者が人権について語るスポット、世界人権宣言を題材にした子供向け連続テレビ番組)。人権教育をテーマにした定期的番組を放送する。
57. 1997年と1998年の12月10日に、すべての全国紙と地方紙で世界人権宣言を発表する。
58. 世界人権宣言50周年の国内ホームページを作り、情報、文書、行事予定を載せる。
59. 人権が身近な問題になることを目標に、バスや路面電車のポスターやロゴなどを媒体とした全国的な情報伝達戦略を立てる。 

企業およびビジネス界: 
60. 宣伝や広告に人権メッセージや絵柄を取り入れる(例、食品の包装、飲料水の缶、シリアルの箱、他)。
61. 人権の伸長と保護のために基金を設立する。
62. 人権をテーマにした目立つ行事を行う(資金集め、賞の授賞、他)。
63. 市町村や県レベルで行う行事を後援したり資金援助する。小規模事業所も巻き込む。

職能組織: 
64. 人権とその職業分野に関する会議やセミナーを開いたり、教育コースを設ける。
65. その職業が提供するサービスを利用する人々の人権意識を高める(例、利用者に資料を配布、様々な人権問題に関するワークショップやセミナーの開催)。
66. 世界人権宣言について組織の機関誌で "特集号"を組む。
67. 職業訓練機関で特別な行事を企画する(警察学校やジャーナリズム専門学校、他)

労働組合: 
68. 人権と労働に関する会議やセミナーを開いたり、教育コースを設ける;組合員やその他の労働団体を対象にした草の根人権トレーニングを組織する。
69. 他の労働組合と協力して、世界人権宣言を際立たせたメーデーの祭典を開く。

医療セクター: 
70. 患者との連帯デー
71. 国際人権デー・ベービー(12月10日に生まれた子ども)、1998年に生まれた人権年べービー。
72. 職業トレーニングに人権と医療倫理を取り入れるように推進する。

市町村議会とコミュニティー組織: 
73. 人権のために地元に貢献した人々や団体に対してコミュニティ人権賞を設立する。
74. 人権宣言をテーマに町の壁(公け、あるいは個人の)に地域の住民を巻き込んでコミュニティ掲示板を作る。
75. 世界人権宣言50周年記念や人権教育活動を主催する。
76. それぞれの町で人権問題への関心を高めるようにする。
77. 市役所に、"人権フェスティバル"のような弁論大会や活動を計画するよう働きかける。

図書館: 
78. 子ども/大人の両者の読者に推薦できる人権書籍を紹介したしおりを配る。
79. 特に12月10日を中心にして、人権をテーマにした本や雑誌を展示する。
80. 世界人権宣言や人権問題に関する連続講座、映画上映会、あるいは書評会を開く。
81. "世界人権宣言バス"を仕立て、情報、資料、あるいは講師を乗せて農村地域に出かけたり、人権トレーニングを届ける。
82. 人権分野における1948年から1998年までの変遷を取りあげた展示会を開く。移動展示会にもできるし、その他様々な形で利用できる。

NGO、社会サービス機関、コミュニティ・サービス組織、女性グループ、アドボカシー・グループ:
83. 人権を切り口にして日常生活や仕事をあらためて評価する。
84. 組織の活動が人権にどのように関係しているかを、メンバーやコミュニティに教育する。
85. コミュニティや組織の構成員に情報や教育資料(例、広報ポスター、チラシ、人権のイベントを紹介するカレンダー、国連の写真)を配布する。